最低賃金を継続的に引き上げさせない力、コンビニと新聞専売所

 画像デービッド・アトキンスが出て来るというので見ていた。おっしゃるように、イギリスがブレア政権以来、最低賃金を年数パーセント強制的に引き上げていく政策、これはドイツではシュレーダー政権が財政緊縮政策とともに実施した。それが、ヨーロッパの好景気であり豊かさである。

 アトキンスが言うように、日本人は、今もなお、コスト削減、賃金カットしか頭にない。人口が毎年30万人近く減少し、老齢人口が増え、ヨレヨレ老人が増えていくのにである。

 ブレア政権、シュレーダー政権ともに、労働党、社会民主党政権であり、キャッチフレーズは、近代化の近代化であり、日本の社会学者は何も理解せず「再帰的近代化」だけ口ずさんでいた。日本では、社会党は日本平和党でしかなく、経済社会については物盗り労働組合でしかなく、福島みずほとともに蒸発した。

 アベノミクスは、最低賃金を引き上げていくことが、きわめて難しいと考えるから、官製団交で大手の賃上げを進める。しかしながら、これは高度経済成長期、いや昭和10年代からあった、産業の二重化をそのまま残すということでしかない。アトキンスがイライラして話していたように、最低賃金を引き上げるということは、日本にある町工場をほとんどすべて潰すということと同じであり、そうしないと日本は生き残れないのに、なぜしないのかということだ。しかし、自民党も社会党も共産党もこれは票が逃げるから絶対にやらないのである。

 こういうイライラは、これからも続き、アトキンスは、好きな日本に、そのうち愛想をつかすだろうと、私は思っている。コンビニ、スーパーのように小売りという最低賃金を前提に雇用する場がチェーン化され、新聞配達の場合も同じだが、最低賃金を下方硬直させる力が、きわめて強いゆえに、20世紀を通して、産業の二重化は日本では消えることがなかったし、これからも続く。国民基礎年金だけで老後を過ごすことを前提にした非人道的な設計が、今も放置されているのだ。国民基礎年金は終身だが、年額80万円を切る。それで、どうやって生きていくのか? そこから後期高齢者医療保険料、介護保険料を死ぬまで払い続けるのだ。こういう制度が残り続けるのは、持つ者と、持たざる者とがはっきり分かれているということでもある。にもかかわらず、日本はもともと階層のない一億平等社会だったなどという社会学者もいる(笑)。

 「再帰的近代化」「ギデンス」「ベック」などというのは、日本の大学の知力貧困な社会学者たちのバカだ大学の黒板の上でのお話でしかないのだ。彼らは、経済現象については、社会学者なのにいっさい口にできない。自ら学問ドメスティック化に陥っている。

 アトキンスのいうように最低賃金を、英国のように、毎年4%前後引き上げることを20年以上続け、かつ先日のMM理論に従い、政府債務については、貨幣国定説の場合、貨幣は特殊債券だという発想に立てば、景気は好循環していく可能性はある。しかしながら、コンビニチェーンと新聞配達チェーンが、どういう反応をして、自民党がどう理解するだろうかが焦点のように思う。強い反対をして動かないだろう。大手新聞、そしてこのTBSのようなテレビも、すでに斜陽産業であるのに、給与水準も高く福利厚生も正社員きわめて厚い。流通も経営者層は豊かだ。産業構造の二重化の典型である。これが、自民党を動かしているかぎり、最低賃金を毎年継続的に5%前後上げていくというような芸当はできまい。 

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