紙面の埋め草

 ある著名な経済新聞。私は学生時代から読者である。父親が取っていたときから数えれば50年以上の読者ともなる。経済についての専門性のみならず、文化面もたいへん品のある記事が詰まっていて、私は好きな新聞だった。
 しかしながら、最近、学生の就職不安を大いに煽っているのではないかと、早朝から、その朝刊1面を見て暗い気持ちになる。昨日11月5日付け朝刊1には、「卒業生の満足度」とあり、さる大学がトップだと活字を大きく、さらに「教育・学費で国立上位」とある。19面には詳細ありとあって開いてみると、「難関校でも苦戦」「東大〈就活支援〉など不満」とあり、どれだけ代表性があるのかわからない「サンプル調査」めいた数字の表を挙げて、何やらどこかでちょこっと取材してきた文章を、さもさも客観的情報であるかのように添えて、記事が仕立てられている。
 本日11月6日は、「働けない若者の危機」とタイトルして、「ブラック企業」について書かれてあり、最近官庁が報じた就職3年後の離職率の原因の一端について触れている。しかしそれもNPO法人からの伝聞記事で、さも客観的であるかのように仕立てられている。

 権威ある大新聞であるなら、伝聞から客観を演繹するのではなく、自分で精密に調査して記事にしたらどうだろう。「働けない若者の危機」という負のスパイラルに加担しているのは、こういう埋め草にもならぬ記事なのではないであろうか。埋め草でもないと、紙面が埋められないのなら、頁を減らして購読料金を下げればよい。水でのばして水商売は、マスメディアとは無縁のはず。

 私のゼミから、この新聞社に進んだ学生は二桁になるが、たいへん不快であり、残念である。

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