私の代表論文

画像 1995年5月にNiklas Luhmannは、ウィーン市庁舎において、Edmund Husserlの有名な「危機講演」60周年の会で、現象学とサイバネティクスの親近性、いや彼の言い方では、あと数歩で同じになるという有名な講演を行った。現象学は社会システム論だというのだ。
 ところで、1935年5月のフッサールの元講演は、ウィーンの市庁舎ではなく現在のオーストリア工芸博物館でなされたことが、当時の新聞からわかる。その聴衆のひとりに、Alfred Schützがいた。このあたりのことについては、拙著『アルフレート・シュッツのウィーン』に詳しく書いたのだが、こうした西洋学問をやるにあたって歴史的蘊蓄は大いに必要だから、ずっとやってきたところがある。ただ、ここ7、8年、自分の学問関心の重心を移して、このルーマンのテーゼは本当かということをたどってきた。
 このブログでも1年ほど前に載せたが、『社会システム論』という学内受講者用電子ブックとオンデマンド授業がそれ、つまりいかにサイバネティクスと現象学は連続しうるのかという教科書なのだが、この授業は、いわゆる大学教務部が公式に行っている「学生による授業評価」を見ると、「難しすぎる」「勉強しようと思った」「しんどい」などなどで、昨年秋学期受講者350人、この春学期162人という落ちこみ。しかしながら、3分の1の受講者は、よくフォローしてくれ、よく意見、質問してくれる。そういう意味では、授業もe-bookも成功だと思っている。
 授業は、相当にやさしい話にしたのだが、やはりある範囲の学生には難しい話しであるというのは、今後考えねばならない課題である。
 ただし、もっと学的な論拠を挙げて国際的にも示す必要もあり、その試みの最初が、ようやく出版された、Joachim Renn, Gerd Sebald, Jan Weyand編によるLebenswelt und Lebensform に寄稿させてもらった拙稿"Person als Medium -Eine pragmatisch-phänomenologische Alternative zur Systemtheorie"。上のルーマンの論稿には、2箇所、シュッツについての言及がある。彼は、はっきりと現象学とシュッツのそれとを区別している。そして前者とサイバネティクスの連続性を説いている。しかしながら、たぶんそれは間違えだろうというのが私の意見。Pragmaticsは、「語用論」とも訳され、ドイツ語ではわざわざSprachpragmatikとも言うが、言語は実は副次的なものだというのが、私の基本的前提。
 まだ、たくさん提示せねばならないものがあるが、まず第一歩。
amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by Lebenswelt und Lebensform の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



http://www.velbrueck-wissenschaft.de/catalog/product_info.php?cPath=26&products_id=254

http://www.velbrueck-wissenschaft.de/pdf_ausfuehrlich/978-3-942393-39-3.pdf

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

なるほど(納得、参考になった、ヘー)